木を活かすためには、木を切り、山から運び出し、所定の場所へ持っていくということが必要になってきます。
木の切り方も、成長や山づくりなどによって変わってきます。木を間引きすることを間伐といい、木をすべて切ることを皆伐といいます。間伐と皆伐はそれぞれ施業の進め方などに違いはありますが、木を切ってから、搬出するまでの工程を紹介します。
●作業手順
伐倒 → 集材 → 造材 → 搬出(山ー中間土場) → 搬出(中間土場ー共販所)→ 共販所、チップ工場またはバイオマス発電所
●伐倒
木を切り倒す作業を伐倒といいます。伐倒にはチェンソーを使います。木を切り倒す方向は、後の作業の集材のことを考えて決めなければなりません。狙った方向に切り倒すのには、かなりの技術力が必要となり、まずこの技術を習得するところから始まります。●集材
チェンソーで伐倒後、木を集める作業を集材といいます。集材作業は、架線を使用し集材機によ架線集材と、作業道を開設し、そこへ高性能林業(スイングヤーダ、ラジキャリなど)を導入して行う車両集材という方法があります。近年は車両集材を行う現場が増えてきていますが、作業道の開設が困難な場合は架線による集材を行っています。架線の技術も、高齢化により、途絶えてしまった事業体もあるので、若い世代へ技術を伝承していくということが急務となっています。●造材
集材してきた木を決められた寸法に切る作業を造材といいます。こちらも昔はチェンソーで枝を払い、ものさしを当て、造材作業を行っていましたが、現在は、高性能林業機械(プロセッサ、ハーベスタ)で行います。この機械を導入することにより、造材の工程が劇的に短縮されます。●搬出(山ー中間土場)
造材後の木材は市場(共販所)やチップ工場へと運び出されますが、土質等の関係でトラックが林内で走行するのが困難な場合は、中間土場まで林内運搬車(フォワーダ)を使用します。10tトラックが林内走行可能な場合は、この工程は短縮されます。●搬出(中間土場ー共販所)
中間土場へ集積された木材は、品質や用途により分けられ、搬出先が決まり、10tトラックで搬出されます。木材はA・B・C・D材に分類され、A材は製材、B材は集成材や合板、C材はチップや木質ボード、D材は林地残材を指しますが木質バイオマスエネルギーの燃料等に利用されています。A~C材は共販所へ運ばれ、そこで開催される市により取引されます。C材はチップ工場、D材に関してはバイオマス発電所へ、山から直接運ぶ場合もあります。