木を植える

 皆伐後の山は、土が露出し、水源涵養機能、土砂流出防止機能が低下しています。自然に草木が萌芽し、森林の持つ機能が発揮するのを待つとすると長い年月を要するため、再造林により山の機能を回復させる必要があります。再造林をし、資源循環の山づくりを行うことにより、後世へ資源を引き継ぐことができます。

●作業手順

地拵え → 食害防止対策 → 植付


●地拵え

 皆伐を行った山は、枝葉など林地残材が散乱しています。また伐採後、時間が経過した山は、灌木なども生え、すぐに植付するのには難しい状況です。そこで、枝葉や灌木等を整理して、苗木も植えられるようにすることをいいます。
 地拵えは、植付後次の年から行う草刈り(下刈り)の時に、枝葉がきちんと整理されてないと、刈払機での作業時に、キックバック等の危険もあるため、非常に大事な作業となります。

  

●鳥獣害防止対策

 近年、山に生息する鹿やイノシシの数は急増していて、畑や水田など被害も報告されています。山も同様に、苗木も植栽すると、次の日には、すでに食べられているという状況です。その対策として、苗木を植付前に外周に食害防止ネットを設置しています。鹿やイノシシの侵入を防ぎ、苗木を食害から守ります。
 別の方法として、苗木1本1本を保護具で囲う単木保護があります。

  

●植付

 地拵え、食害防止対策を施工後、苗木を1本1本植えていく作業をいいます。
1ヘクタール当たりの植付本数は、2,500~3,000本になります。
 近年は、裸苗からコンテナ苗に代わってきていて、大豊町でも西峰地区で、杉コンテナ苗の生産を行っていて、平成29年度から実際に再造林地で植付にコンテナ苗を使用しています。
 ほかにも早生樹コウヨウザンが注目されていて、国有林が試験的に植付を行っています。高知県では民有林での植栽には、補助金の対象外(R1.6月現在)となるため、実施しているところはありませんが、スギ・ヒノキと比べ、成長が早く、伐採した後も、クヌギなどのように萌芽更新するため、再造林のコストを大幅に削減することができます。